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堤真一、役者になったきっかけは「坂東玉三郎のダメ出し」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.06.18 16:00 最終更新日:2019.06.18 16:00

堤真一、役者になったきっかけは「坂東玉三郎のダメ出し」

 

 俳優堤真一が、『サワコの朝』(TBS系)6月15日放送回に出演し、役者を志したきっかけについて語った。

 

「僕はあまり俳優になるつもりはなかったんで。でも、真田広之さんの付き人をしていたので、舞台で立ち回りとかカラミとかをしていて。

 

 

 広之さんが出演していた、(坂東)玉三郎さんの舞台で、黒子としてお獅子(注・獅子舞)のなかに入ったときのことです。広之さんと玉三郎さんと、もうひとり後ろ足担当の方と4人で、ズルズルズルズルと舞台ツラ(舞台の前の端)に出て行く場面があって。

 

 スタンバイをしてるときに玉三郎さんが『役者やるんでしょ?』って言うから、『なにを言ってるんだ』と思いました。本番中ですよ? そのときは、僕にその気がなかったので、『いやいやいや、もう前に行きまっせ』と。そんな感じで1カ月、舞台をやっているあいだ、毎日のように言われました」

 

 その後、玉三郎が歌舞伎以外の舞台で立ち回りがあると、必ず呼ばれたという。たとえば、真田が主役だった『ロミオとジュリエット』。

 

「稽古が2カ月ぐらいあったんですよ。でも、広之さんのスケジュール的に最初の1カ月が無理だったので、そのあいだ僕が広之さんの代役をやって。そのときは、代役なのに、ダメ出しが僕に一番多いんですよ(笑)。

 

 ある日、台本持って代役をやっていたら、(玉三郎から)『あんた、いつまで台本持ってるつもり?』って言われて。『えっ、代役ですよね……?』って。それから毎日稽古したんですけど、玉三郎さんのダメ出しはほぼ僕にだけだったんですよ」

 とはいえ、その稽古が、これまでで一番楽しかったという。

 

「だって、無責任じゃないですか。本番に出なくていいから緊張感はない。注意されても、学ぶことだらけなんですよ。そのときに『俺はこの世界に関わっていこう』と思ったんです」

 

 そして、30歳を過ぎたころ、連ドラに出演するようになった。舞台俳優をやっていこうと心に決めていたが、事務所社長の「あんた、年齢的にギリギリやで」という言葉に焦りを感じたという。

 

「それでブッ込まれたのが、『やまとなでしこ』(フジテレビ系)ですよ。その当時、『トレンディドラマ』といわれるような仕事をしたいとは思ってなくて。

 

『初めまして』と言った相手と、いきなり恋人とか親子になることに、『イヤイヤイヤイヤ、そんなん無理やって、初めて会ったのに恋人のフリなんかでけへん。どないしてこんな有名な人を相手に……』という感覚が続いてたんです。めちゃめちゃ怯えてるんです。もう足ガクガク震えてるし、どうしていいかわからなくて。そのころは、キツかったですね」

 

 堤は、俳優稼業へのスタンスについて、2013年6月14日の『シネマトゥデイ』でこう語っている。

 

《役者の仕事が好きでやっているのかと聞かれたら、「本気で好き」とは言えないかもしれないんです。もちろん一生懸命やっているけど、ふと「なんで人前でこんなことやっているんだろう……」と思うときがあって、本当に自分が役者に向いているのかまだわからないんですよね。でも、自分が何に向いているのか、ちゃんと答えられる人っているのかな?》

 

 初めて役者になると決めたときも、ベテランになってからも、堤は自身の心と向き合い続けている。一流だからこそ、もがき苦しみ、答えを探す日々が続くのだ。

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